代表西野のドリーム対談

対談一覧へ


(全4回;毎週更新) [Vol.1]  [Vol.2]  [Vol.3]  [Vol.4]

世界有数のリッチで自由な国、ニッポン。なのに、なぜか若者はニートやフリーターなど働かない道へと走っています。 そんな状況に業を煮やしたのは、日本の戦後政治を主導してきた政治家・松野頼三氏(88歳!)。 政界の長老に「ドリームエントリー」を運営する(株)ビジャストの西野裕代表が迫りました。 「松野先生。働くって、どういうことですか?」


西野裕

※松野頼三氏は、平成18年5月10日にご逝去されました。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。
 この対談は、平成17年8月に行ったものです。
第3回 愛する人をつくることが働く第一歩だ!

働くことへの意欲が希薄になっている今、ニートやひきこもりといった若者が増え続けています。 彼らにとってみれば、働かなくても食っていけるのだから、わざわざ辛い思いをして働く必要が感じられないということなのかもしれません。
しかし、こうした考えは「人間の成長を止めるだけでなく、日本そのものをダメにしてしまう」と西野社長は考えています。松野氏はそもそも、そう考える若者の思考が理解できないと漏らします。

では、松野氏は何のためにこれまで働き続けてきたのでしょうか。今回は、働くためのモチベーションについて話を聞いてみました。


松野頼三
■松野頼三 プロフィール
まつの・らいぞう 1917年熊本生まれ。慶応義塾大学卒業後、海軍経理学校に入学。海軍将校として終戦を迎える。 1947年、衆院選初当選により政界入り。1958年、第二次岸内閣の総理府総務長官として初入閣。1959年、労働大臣。 1965年、防衛庁長官。1966年、農林水産大臣。1990年、政界を引退し、自民党顧問に。
■まずは恋人を作ることから始めろ

西野「僕は、時間の経過と進化は全くの別物だと思っています。時間が経つことは変化ではあるけど進化ではない。ですが、最近はただ時間が経過しまっている気がしていて、その中でさまざまなものを忘れてしまっているんじゃないかと思っているんです。
 これまで培ってきた中で、ただ古いという考えのもとに捨ててしまいそうなもの、忘れてしまいそうなものが多くあるんじゃないでしょうか。これからの未来を考えた時、失いかけているものの中には、絶対に忘れちゃいけないものもあると考えているんですよ」

松野「ちなみに、ニートの若者たちには恋人はいるのかい?」

西野「え? 恋人ですか。いる人はいるでしょうけど、そうしたことに対するエネルギーは弱いんじゃないですかね」

松野「恋人がいればだよ、少しは努力するだろう」

西野「確かにそうかもしれませんね(笑)。恋人がいれば稼がなきゃいけないわけですから、努力すると思います。ただ、ニートの若者たちの中には、人と接することを拒んでいるような人たちもいる。毎日家にこもり、パソコンでインターネットやゲームばかりやっていたり……」

松野「それでも、恋はするはずだろう。インターネットを使っているならネットを使って恋をするだろうよ。人間、恋をすればね、動くんだよ。だから、俺はニートのような若者たちには、大いに恋をしろと言いたいね、人間と恋すりゃ、必ず、働くということにつながる。若い人は恋をしろ。恋をするのはいいことだよ」


未婚化の進行− 年齢別にみた未婚率の推移 −

s
(出典:厚生労働省受託「若年層の職業生活における実態調査(無業者調査)」

■愛情が働く理由と強さを生む

西野「今、結婚する年齢もどんどん遅くなっているじゃないですか。30歳の未婚率も、どんどん上がっているんですね。松野さんがおっしゃられるように、働く理由のひとつとして、家族を養う、家族を守るために働くということはあるでしょうね。でも、今やそうした考え方は完全に崩れ始めている。何かを守るために働きたいという30代って、我々のところに来る人間のなかには本当にいないんですよ。家族を持っていてもふらふらしている人もいて、“仕事が自分に向いてない”とか“会社がしんどい”なんて理由で、すぐにやめる人もいる。そうなってくると、ますます働く理由がなくなるようで」

松野「といったって、人間だ。恋はするだろう。恋をするエネルギーは出る。必ず出るよ。我々が戦場に行くときは、必ず恋をした人、愛する人のために命を捨てるという思いだったんだよ。一番怖いときに思い浮かべるのは、親、恋人、妻、子どもの顔さ。親を思い、恋人を思い、妻を思って、戦場に行ったんだ。そこに強みが出てくる。愛情っていうものは強いんだよ。だから、ニートも恋をすれば、強さが出ると思う。これは本能的にね。

 特攻隊員をはじめとした、戦争に命を投げ出した人たちの遺書を見てごらん。みんな家族、親のために進んで命を捨てる。怖くないのは、家族のため、子どものために命を捨てているからなんだ。一番強いのはそこなんだよ」

西野「家族であり恋人であり、身近な親しい人たちのために、生きる、死ぬ。これまでは、社会の中での自分の役割を果たすというところが、仕事にもつながっていました。それがいつのまにか、一個人の問題になってしまっていて、自分がどう望んでいるかがすべての仕事の判断基準になってしまった。我々の世代もまさしくそうなんですが、公の立場や公の考え方がどんどん失われています。個性であったり、自分らしさだったり、そんな言葉とともにです」

松野「一度、ニート同士を集めて、互いにどんな格好をしてどんな考え方をしているのか、比べさせてみろ。そうすれば、少しは自分の立場や存在価値がわかるだろうよ」


■対談を終えて・3

そう来たか、まいったという感。愛する人がいれば働くし、何よりさらっとお話されましたが、出征のくだりの話は強く心打たれました。
自分以外の人の為にも生きる事ができるのは幸せなことです。

(株)ビジャスト代表取締役・西野裕


西野裕

西野裕 プロフィール

にしのゆたか 1966年生まれ。 経営コンサルティング会社等を経て、米国最古のアウトプレースメント会社 チャレ ンジャーグレイクリスマス?日本法人前代表取締役社長。 主要株主との経営観の相 違によりIPO直前期まで成長したにもかかわらず、あっさり経営陣総退任。浪人生活へ。 2003年8月株式会社ビジャスト設立、代表取締役就任。3年来暖めていた雇用流動支援 ビジネスをあきらめずに立ち上げる事を決意。
多くの人々の支援と賛同を受け、設立2年で驚異的なスピード成長を遂げる。 自他共に認めるいったりきたりキャリアの実践者。転職歴4回。
好きな言葉は「大丈夫」。